離床センサーや起床センサーに対して利用ケース別にどんなセンサーが向いているのか、現場での聞き取り内容を踏まえ整理してみました。参考にしていただければと思います。
検知タイミング | 耐久性 | 検出 精度 |
誤報 発生 |
操作 方法 |
機動性 | 機能性 | 価格 | |||
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起床 | 離床 | 離部屋 | ||||||||
① マット式離床センサー | ✖️ | ○ | △ | ✖️ | ○ | ✖️ | ○ | ○ | ✖️ | ○ |
② ベッド式マットセンサー | ○ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ○ | ✖️ | ○ | ○ | ✖️ | ○ |
③ 赤外線センサー | △ | ○ | △ | ○ | △ | △ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | △ |
④ 超音波センサー | △ | ○ | △ | ○ | △ | △ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | △ |
⑤ Mittell(イメージセンサー) | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ✖️ |
⑥ 非接触式バイタルセンサー | ✖️ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | △ | ○ | ✖️ |
⑦ クリップセンサー | ○ | △ | ✖️ | ✖️ | ○ | ✖️ | ○ | ○ | ✖️ | ○ |
各センサーの大きな違いは精度・誤報は別として検知するタイミングが大きく変わります。よくある要望は立ち上がるタイミングでなってほしいという要望をいただきます。しかし、ここが重要で立ち上がった後に通知するのか立ち上がろうとする瞬間を的確に知らせてほしいのか違いがあります。治療の為薬を服用しているために行動量が極端に少ないが、薬の作用が減ってきて動き出した場合にはリスクが高いために起き上がりを検出したいなどなど状況は様々であると思います。
立位が可能か介助が必要かで採用するセンサーが変わります。マット式離床センサーでは離床行動の初期状態を捉えますが、コール後駆けつけるまでの時間的余裕はありません。駆けつけるとすでに転倒しているという話はよく伺います。立位や歩行時に介助が必要な患者さんで行動が早い場合には、採用するセンサーに特に注意が必要です。
また、徘徊予防(離院、離棟)対策として離床する場合は、離部屋が検出できることができ、なおかつ患者のQOLを抑制しないような配慮が必要となります。QOLを抑制しないとは患者が出来ることは心理的身体的に抑制しないことになりますので、立位及び歩行などに介助が必要ない場合にはナールコールを不用意に鳴らさないことが大切です。
急性期病院や慢性期病院また、介護老人保健施設(老健)や介護療養型医療施設(療養病床)などでは対象となる患者が入れ替わる為に常設設置のタイプよりは持ち運び可能なタイプが多く利用されています。患者はただでさえ非日常の環境であることからベッド周辺に余計なものがない方が望ましいです。
また、反対に特別養護老人ホーム(特養)、軽費老人ホームA型、B型、C型(ケアハウス)、有料老人ホームでは長期利用される患者や対象者が多いことからセンサーを常設されるのが使いやすいと思われます。
センサーには無線によりナースコール出力を行うものと有線によりナースコールへ出力するものがあります。無線タイプでは、電池が利用されている為に電池切れを設置するたびに確認が必要となります。また、スタッフが電気に関しての知識が極端に低い場合には設置に手間取るケースが多く発生しております。ナースコールコンセント周辺から離れた場所へ設置する予定がない場合は極力有線タイプを選ばれるのがリスクが少ないかと思います。
直接的な拘束を伴わないセンサーについては、センサーそのものを身体拘束としては取り扱わないようですが、センサーの反応に基づきスピーチロックなどを行なった場合は、センサーを含め身体拘束として定義される場合があります。詳しい記事は医療用語集:第6回:Mittell【ミッテル】と身体拘束について
今回整理したセンサーは基本的に患者に対して直接的な拘束を行うものではありませんが、クリップセンサーは非常にグレーな定義とされます。これは患者に直接センサーのヒモの先端をクリップで取り付けるため、身体拘束として捉えられる場合が報告されております。
離床センサーや起床センサーはその動作を良く理解し採用をすることで、その効果を最大限に発揮します。間違った利用方法では誤報などにより業務に支障が生じさせるだけではなく、医療事故を招く可能性もあります。導入に際しましては是非専門家へご相談いただきBESTなセンサーを導入いただければと思います。当社でもご相談をお受けしております。お気軽にご相談ください。